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ピアジェ理論による幼児教育

 ピアジェ博士は20世紀の発達心理学の父として、もっとも世界の教育に深く影響を与えました。ピアジェ理論は、「3つ子の魂100までも」という先人の教えを実証し、私たちに0歳~7歳までの教育環境で、子どもの人格形成は決まるという確信をもたらしたのです。1対1で行う臨床診断法で我が子や数多くの子どもを観察した中で、「子どもは大人のミニチュアではなく、子どもの発想は子ども自身独自のものである。」 と、大人の観点から決めつけることの誤りを指摘しました。子どもが本来自ら働きかけ考える力を獲得する能力があるという「自発性」を発見したり、大人のように客観性に欠ける「自己中心性」を発見しながら、子どもの行動を分析し「認識論」として体系化いたしました。

 ある意味では、ピアジェは徹底した現場主義者で、子どもの活動の中からピアジェ理論は構成されています。私たち現場の教育者は、1つ1つの理論が目の前で次々と実証されていくのを肌で感じ、幼児教育の環境には必要不可欠であると確信いたしました。ピアジェが現れるまでは、心理学者と現場の教育者とは大きなずれがありました。

 なぜなら、子どもの活動を通さない理論は机上の空論に過ぎず、現場教育には適さなかったからです。私どもは長年のピアジェ理論をいかに現場教育に適用すればよいか、教材を開発したり現場の先生たちの研修を行いながら、 1996 年には日本ピアジェ会を結成し、カリフォルニア州立大学院教授でピアジェ研究の第一人者である斎藤法子先生とともに、毎年春、夏に研修会を行っていますが、今般、ピアジェ理論を幼児教育にどのように実践すればよいか、広く多くの先生方や保護者の皆様に参考になればと。21 世紀を担う子どもの教育環境を整えるための一助となれば幸いです。

日本ピアジェ会会長 /松井 和男

児童心理学者 ジャン・ピアジェ (Jean Piaget) 日本ピアジェ会|ピアジェ理論|幼児教育|創造的教育|能動的記憶|ぺたぺたシール|児童心理学

 スイス人の先駆的哲学者にして心理学者ジャン・ピアジェは、その学者としての生涯を、子供の言うことを聞き、観察し、世界中の児童心理学者の報告を読みあさることに費やした。簡単に言うと、ピアジェは子供が大人とは違った考え方をすることを発見したのだ。

 かわいいが支離滅裂にしか聞こえない子供たちの話の裏には、独特の秩序と論理を持つ思考プロセスがあるのではないかと考えるようになった。子供たちは知識を注がれるのを待っている容器(これが昔からの教育学の理論だった)ではなく、みずから積極的に知識を構築する者
—周囲の世界について独自の理論をつくり、実験を繰り返す小さな科学者なのだ—
という彼の考えに感動した教師たちはピアジェを崇拝した。

 コンピュータとインターネットが子供たちにこれまでになく広いデジタルの世界を探検する自由を与えるようになって、彼の先駆的な学説はいよいよ重要度を増している。

 彼の研究は、子供にやみくもに正しい知識を注入するのは間違いではないかとの思いを強く感じさせる。理論を組み立てる練習を重ねる方が、専門的知識を得るよりも大切かもしれないのだ。せっかく子供が思いついた理論に対して、「惜しい、本当はこういう仕組みなんだ・・・」といつも言われていたのでは、そのうち子供は考えることをやめてしまうだろう。ピアジェが言うように、「子供は、自分で作り上げた理論によってだが、きちんと理解している。何かを性急に教えようとするたびに、自分で理論を作り直す機会を奪っていることになるのだ。」と。 ジュネーブ大学 兼 パリ大学教授、その他世界中の名誉教授を務めた。

1896 年 8月9日 スイスに生まれる
1907 年 10歳にして最初の論文を発表する
1918 年 動物学で博士号を取得。精神分析を学ぶ
1920 年 パリで子供の知能について調査
1923 年 60冊ほどもある学術著書の、最初のものが出版される 1929年 国際教育局局長
1955 年 国際認識論センターを設立
1980 年 ジュネーブで逝去

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